地域情報化の取り組み

 

「調布市イベント情報一元化システム」と地域コミュニティサイト「ちょみっと」

当法人(特定非営利活動法人調布市地域情報化コンソーシアム)が設立された2004年頃、調布市に関係する多くの行政機関や公益組織がホームページの開設を準備していました。

既に開設をしていたところもありましたが、そうしたホームページでは自分の組織が主催するイベントや催しを自分のホームページでのみ掲載していたため、市民に情報がなかなか届かないという課題がありました。

また、イベントや催しは開催1か月前くらいに掲載されることが多く、Yahoo!やGoogleなどの検索サイトの上位に掲載されにくい、という課題もありました。

図1-1

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そこで、当法人では、市内の様々な公益組織で共通の入力フォームを使ってイベントや催しを登録してもらう仕組みを盛り込んだホームページを提案し、この仕組みの意義・価値を重ねて説明することで、少しずつ各組織に採用いただけるようになりました。

各組織で入力された情報は1つのデータベースに集約。各組織では自身が主催する情報は今まで通り自身のホームページで掲載するとともに、それらの情報を集約したホームページを設け、1か所から市内の様々なイベント情報が検索できるようにしました。

図1-2

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現在では、市内10の組織と連携し、市内のイベント情報を1か所に集約。それらをほぼ全て検索できる仕組みとして、ちょうふ地域コミュニティサイト「ちょみっと」を調布市と協働で運営しています。

また、イベントや催し情報と合わせて、それらの会場となる「施設情報」や「市民団体・サークル情報」、講演会や勉強会などの講師となる「人材情報」もイベント情報と連携する形で運用しています。

図1-3

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調布市内商店街や事業所情報の一元化と「調布どっとこむ」

「調布イベント情報一元化システム」と並行して、当法人では地域ポータルサイト「調布どっとこむ」を核とした、市内事業者情報の一元化を進めてきました。

「調布どっとこむ」は2002年に開設された、地域のお店やイベントを紹介する地域ポータルサイトで、インターネットにつながったパソコンやスマホがあれば、各事業者が簡単に情報を修正できる仕組みを持っています。

当時、商店街がホームページを開設すると、その費用に対して補助金が支給される制度がスタート。調布市でも多くの商店街がホームページの開設を進めていました。

しかしながら、調布市には中・小規模の商店街が多く、消費者は商店街の名前も知らないで買い物をされている方がほとんどでした。(=商店街名で検索しない)

そうした状況の中、商店街が個別に多額の費用をかけて独自のホームページを作成することの有効性について疑問を感じていたとともに、掲載した情報の修正などを誰がどのように行っていくか、維持管理についても不安を抱いていました。

図2-1

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そこで、当法人では以下の仕組みでホームページを作成することを各商店街に提案。現在では、23商店街中、10商店街のホームページと連携しています。(全商店街会員の約62%をカバー)

「調布どっとこむ」と連携した、商店街ホームページの仕組み

  • 商店街の各会員事業所のページは「調布どっとこむ」の仕組みを使って作成
  • 商店街のホームページは個別に作成するが、会員紹介ページは「調布どっとこむ」と連携
  • 情報の修正は各事業所で可能。「調布どっとこむ」事務局もサポート。
  • 商店街のイベントなども、インターネットにつながった端末があれば、商店街で簡単に掲載可能。
図2-2

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この仕組みを採用したことで、以下のようなメリットが生まれました。

  • 会員事業所や商店街情報の情報修正の作業が大幅に削減
  • 個別事業所のページを「調布どっとこむ」の機能を利用することで
    • 商店街横断的に事業所の検索が可能に。
      商店街名を知らない消費者にも、会員事業所のページを見てもらえるように
    • 日々、高度化する検索エンジン対策(SEO)は「調布どっとこむ」で対応

その後、「調布どっとこむ」の事業所ページと連携した、特設サイトも数多く生まれました。

など

調布市や商工会の地域産業活性化施策(プレミアム商品券事業、スクラッチカード事業など)への参加も、事業所ページと連携し、「調布どっとこむ」から申し込みができるようになりました。これらの特設サイトが「調布どっとこむ」の事業所ページと連携して運営されていることで以下のメリットが生まれました。

事業者にとってのメリット

  • 各施策への参加申し込みをするとき、毎回同じ内容(住所や連絡先など)を入力しなくて済むようになった。
  • FAXを持っていない事業者も簡単に申し込めるようになった。
     (以前は申込用紙に必要事項を記入してFAXか郵送だったため)
  • 特に、コロナ禍の中、事業者自身で簡単に定休日や営業時間の修正が一度にできるようになった。(各施策において、参加店の情報を1つのデータベースで管理しているため、修正はそこだけ一度行えば良く、参加する複数の事業の事務局に個別に修正の依頼をする必要がなくなった。)

各事業の事務局にとってのメリット

  • (FAXや郵送で届いた)参加店の情報を手入力でデータ化する作業がほぼ必要なくなるとともに、入力ミスなども大幅に削減
  • 以前は紙で郵送していた参加店への連絡がメールで可能に。時間とコストを大幅に削減。
  • 営業時間や定休日などの情報修正依頼の対応削減

更なる地域情報化に向けた、今後の取り組み
~「縦割り」的な情報伝達から、市民ニーズに合わせた情報伝達へ~

これまで、当法人では「行政機関や公益組織内での地域情報の一元化」、「民間・事業者情報の一元化」と「そのデータベースを活用した特設サイト開設への展開」を進めてきました。

しかし、市民が求める情報は、「行政や公益」と「事業者の情報」で必ずしも区分けされてはいません。地域には、様々なカテゴリーの情報が深く関連・連携した形で必要とされています。

従って、今後はこれらの情報を市民ニーズに応じて、整理し、発信できる地域ポータルサイトへの進化が必要とされています。

図3-1

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こうした取り組みにより、当法人は必要な人が必要な情報を簡単に得られたり、届けられる環境を整備することで、人にやさしい地域社会の実現に貢献していきます。